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国際会議報告

ICFTU−APRO/連合/連合総研/ILO地域ワークショップ
アジア・太平洋地域における労働組合の調査研究
「アジェンダ設定とネットワーキングの様式、結果の周知徹底」



 ICFTU−APRO、連合、連合総研、ILOの共催によるアジア太平洋地域における労働組合の調査研究のための地域ワークショップが2005年8月3日から3日間にわたりオーキッド・カントリー・クラブ(シンガポール)で開催された。
 このワークショップは、「アジア太平洋各国、小地域、地域レベルでの労働関連調査の実施、調整、分かち合いの可能性とメカニズムを探る」ことが主要目的とされ、さらに「各国、小地域、グローバルレベルでカバーすべき調査の領域を明らかにする」、「経済データをどのように分析し@団体交渉、A社会的、政治的対話のために活用するかを話し合う」、「労働組合調査担当者の能力構築と訓練メカニズムを考案する」、「調査メカニズムを考案する」ことを目的に開催された。

 


 ワークショップ第1日目は鈴木則之ICFTU−APRO書記長、野口敞也連合総研専務理事の挨拶の後、ICFTU−APROサブール・ガユール政策担当渉外局長により「アジア・太平洋地域における労働組合の調査研究の現状」についての説明が行なわれた。続いて、栗林世連合総研顧問による講演「東南アジア経済における経済・社会の動向、最近の海外直接投資開発戦略」、鈴木宏昌早稲田大学教授(連合総研・理事)による講演「経済成長をいかに分かち合うか−生活の質に対するインプリケーション:労働組合調査の役割」が行なわれた。

 第2日目はまず「企業の社会的責任(CSR)と労働組合:参加、ロビー活動、キャンペーンと調査」と題し、木村裕士連合総合政策局長より「企業の社会的責任と労働組合の役割−連合の考え方と取り組み」、またNZTUC(ニュージーランド)Ms. Eileen Brown氏よりニュージーランドにおけるCSRと労働組合に関する報告が行なわれた。続いてのセッションでは「経済・労働市場データの分析と団体交渉及び社会的対話における活用」というテーマでNTUC(シンガポール)のMs. Ng Yuen Jiuan氏より「社会的・政治的対話における経済・労働市場データの分析と活用」についての報告が行なわれた。さらに、「経済・労働市場データの分析と団体交渉及び社会的対話における活用」、「各国、小地域、地域、グローバルレベルにおける労働組合調査アジェンダの設定」、「労働組合調査担当者の能力構築と訓練」の3つのテーマについてパネルディスカッション形式で各国による報告が行なわれた。日本からは労働組合調査のアジェンダの設定について、鈴木不二一連合総研副所長より日本の労働組合における調査研究、連合総研における調査研究の位置付け、テーマ等の報告が行なわれた。

 最終日の3日目は、2日間のまとめとして、3つのワーキンググループが設置され、活発な議論が展開された。

 ワーキンググループでの議論の後、各グループによるプレゼンテーションが行なわれ、ワーキンググループ1「労働組合調査と結果の周知徹底のための調和するメカニズムの開発:何をどのように行なうべきか」では、情報や資源の共有、外部機関との連携するために、様々なメカニズムの利用、コミュニケーション、ILOやICFTUの一般的なデータの活用、調査ネットワークの構築などの必要性が挙げられ、小地域、地域、グローバルレベルでの具体的な活動が提案された。ワーキンググループ2「労働組合調査担当者の能力構築と訓練:何をどのように行なうべきか」では、@ナショナルセンターレベルでのフルタイムのスタッフの確保、Aデータ収集マニュアルの開発、B教育訓練の提供、C労働経済、労働法を専門とする研究者とのネットワークの構築、DEメールやウェブサイトを利用した国際的なコミュニケーション、E調査研究に求められるレベルへの能力の到達、の必要性が提示された。ワーキンググループ3「経済、労働市場データの分析と活用、団体交渉と社会的・政治的対話:何をどのように行なうべきか」では、団体交渉、社会的・政治的対話のための調査データ分析の枠組みと構造、データの収集方法、データの活用方法等、労働組合の活動の流れに沿った具体的な提案が行なわれた。

 その後、鈴木則之ICFTU−APRO書記長の挨拶で、ワークショップは閉会した。

 ワークショップを通じて、労働組合の調査研究活動の充実強化はいずれの国においても重要な課題であること、また今後は財政的かつ人的資源の確保が必要であるという点において共通の認識が得られた。調査担当者の育成も含め、アジア・太平洋地域における調査研究ネットワークの構築と発展に向け、今後の日本に求められる役割も明確になった。

 最後に、本ワークショップにおいてご講演いただいた栗林世連合総研顧問、鈴木宏昌早稲田大学教授には、ワークショップのあらゆる場面において、今後のアジア・太平洋地域の調査研究ネットワークの構築にとって大変貴重なアドバイスをいただきました。心より御礼申し上げます。
 


ワークショップ参加者(12カ国19名)

<バングラディッシュ>Mr. Mojibur Rahman Bhuiyan ICFTU−BC書記長/Mr. Delawar Hossain Khan ICFTU−BC調査局長/<フィジー>Mr. Agni Deo Singh FTUC 財務担当/<インド>Mr. R. A. Mital HMS書記長/<韓国>Mr. Lim Woon Taek FKTU調査研究所主任研究員/<マレーシア>Ms. R. Rajeswari MTCU主任調査員/<モンゴル>Ms. Bayarmaa Mishka CMTU調査担当/<ニュージーランド>Ms Eileen Brown NZCTU政策担当/<フィリピン>Mr. Cedric R. Bagtas TUCP副書記長/<パキスタン>Mr. Raja Khalique Ahmed Khan PNFTU委員長/Mr. Abdul Latif Nizamani APFTU副委員長/<シンガポール>Ms. Ng Yuen Jiuan SNTUC情報資源センター/労使関係局主任/<インドネシア>Mr. Rustan Aksam ITUC委員長/<日本>木村裕士連合総合政策局総合局長/渡邉ひな子連合国際局次長/若月利之連合国際局部員/野口敞也連合総研専務理事/鈴木不二一連合総研副所長/後藤嘉代連合総研研究員

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