進行中の調査研究

日本における社会基盤・社会組織のあり方に関する研究委員会

(研究期間)
2013年10月1日~2015年9月30日

(テーマ・目的)
 2000年代にはじまる市場万能主義政策によって、日本社会では社会的不平等・貧困が拡大し、地域、職場、家族は疲弊し崩壊の一途をたどっている。
民主党政権が唱えた「新しい公共」は対応策として期待されたが、その概念が不明確なまま、政権自体に幕がおろされた。
解体された地域、職場の再構築をはかるためには、市場原理によらない、連帯や互酬性にもとづく社会・経済活動、それらをつうじた公共空間の創造が不可欠である。
現在、その担い手としての社会組織の役割強化や運動スタイルの変革が強く求められている。
 ここでいう社会組織とは、政府セクターでも市場セクターでもない市民社会セクターに位置し、共通の社会的目的をもった民間非営利組織を意味することとする。
具体的には労働組合、労働者自主福祉事業団体、協同組合、NPO、NGO、市民活動・ボランティア組織などをさす。
また、社会組織という用語は一般的にアソシエーションといいかえることもできる。
 市民社会におけるこうした社会組織は2つの機能をもつと考えられる。ひとつは、地縁・血縁のような既存の社会基盤の崩壊あるいは行き詰まりを代替する機能、
もうひとつは、市場の暴力、政府の限界を克服し、新しい地域生活圏、連帯経済システムを創りあげる機能である。具体的な共助活動でいえば、人と人とのつながりの場の創出、
生活ニーズにもとづく財・サービスの提供、政策提言活動などがこれにあたる。
 しかし、こうした活動はこれまで社会組織ごとに別々に論じられてきた。労働組合、労働者自主福祉事業団体、協同組合、NPO、ボランティア活動などが、
地域の実態にそくして相互に連携できれば、その機能性をさらに効果的に発揮することができる。その前提としては、各組織がもつメンバーシップの限界を克服する必要があり、
また、伝統的な活動内容を超えて雇用・就業機会の創出といった新しい活動を事業展開として構想・実行していくことも必要である。
 そこで本研究では、市民社会セクターに属するあらゆる種類の社会組織のネットワーク形成を研究対象とする。
①社会組織をめぐる国内外の議論を整理するとともに、②社会組織が共助活動を実践し、さらにはメンバーシップをこえて活躍する国内外の事例を収集・分析し、
ロールモデルの発見をめざす。そのうえで、③日本型アソシエーション、新しい社会運動のあり方を考察する。
最終的に、これらの研究成果を労働組合の外部にも発信していくために書籍出版をめざす。


(委員会構成)
主 査:篠田 徹  早稲田大学社会科学総合学術院教授
委 員:浅沼 弘一 電機連合書記長
     岡本 泰良 日教組書記長
     早川 順治 生保労連書記長
     黒田 正和 JEC連合事務局長
事務局:龍井 葉二 連合総研副所長
     小島 茂  連合総研主幹研究員
     江森 孝至 連合総研主任研究員
     麻生 裕子 連合総研主任研究員(主担当)