進行中の調査研究

交通労働者の労働条件改善と公共交通のあり方に関する研究

(研究期間)
2017年10月~2018年9月

 1990年代末以降の交通産業全般での規制緩和により、過当競争とコスト削減が進められてきた。その結果、バスやタクシー産業の労働者は、労働条件の低下と長時間労働を余儀なくされ、それに呼応する形で事故件数も増加するなど、交通産業とそこで働く労働者は厳しい環境に置かれている。
 また近年、高齢ドライバーの交通事故が多発し、高齢者の免許返納などが問題となっている。しかし、地方では人口減少・過疎化が進み、公共交通の不採算の生活路線からの撤退に歯止めがかからず、一層マイカー依存を高めており、加えて、地域社会の疲弊に拍車をかけるという悪循環に陥っている。
 このような公共交通の代替機能として、ライドシェアが注目されているが、安全性や安定供給、交通産業の雇用への影響をはじめ、ライドシェアのドライバーの労務管理等に関する問題が指摘されている。
 このような現状を踏まえ、バス、タクシー、鉄道業界を中心に、ライドシェアのような新しい動きとその問題もおさえながら、交通労働者の労働条件の改善と産業の持続可能な発展の方策、期待される公共交通のあり方を検討する。
 地方自治体の財政状況や初期投資等を勘案すると、バスやタクシーを地域に密着した交通として維持し、住民の安全の見守りや介護・福祉分野との連携強など生活を支える視点を重視する必要がある。とくに地方に軸足を置いて、高齢化への対応や地域振興にも資する公共交通のあり方を展望する。
 とくに、地域の交通問題の解決には、交通政策と都市計画や地域福祉などと連携させた政策形成、公共交通存続に向けた世論形成など、さまざまな取組みが必要であり、それらに関して労働組合が果たすべき役割についても検討する。

<委員構成>

主 査: 戸崎  肇 首都大学東京都市環境学部特任教授、交運労協顧問 
委 員: 小川 竜明 清和大学講師
  竹内 利光 横浜国立大学講師
  川上 資人 東京共同法律事務所、日本労働弁護団
  小熊  栄 連合社会政策局長
     
事務局: 杉山 豊治 連合総研副所長
  戸塚  鐘 連合総研主任研究員
  浦野 高宏 連合総研主任研究員
  松井 良和 連合総研研究員(主担当)
〈研究活動報告〉