介護分野におけるテクノロジーの活用と介護の質向上に向けた 調査研究委員会(所内研究プロジェクト)
介護保険制度創設から20年以上が経過し、介護サービス市場の拡大とともに介護サービス従事者も増加してきたが、依然として、人手不足が想定される。同時に、後期高齢者比率の上昇により、要介護度の全体的な上昇が見込まれる中で、質の高い介護サービスを提供するための体制整備も重要な課題である。しかし、介護は比較的離職率の高い職種であるが、これは低い賃金水準のほかに、介護労働者の身体的・精神的負担が大きいことなどが背景にあるため、就業環境の改善が求められている。
このような状況下で、ICTやAIなどのテクノロジーの活用による「介護の質の維持・向上」、「生産性の向上」への取り組みは不可避であるが、介護の現場では、介護ロボット等のテクノロジーの導入は進んでいない。また、介護分野におけるテクノロジーの活用が、介護の生産性向上や質の向上にどの程度貢献しているのか、科学的な実証がなされていない。こうした科学的実証を行うために、現状の課題の整理や今後の政策的対応についての論点整理を行う。
研究期間
2022年10 ⽉〜2023年9 ⽉