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今年度の
調査研究

今年度の調査研究

今後の労働時間法制のあり方を考える調査研究

 現行の労働時間規制は、賃金決定要素としての時間を意味する「賃金時間」と肉体的精神的負荷のかかる時間を意味する「負荷時間」を「労働時間」と捉えてきた。これらの意味を持つ労働時間の裏側には、労働時間から解放された時間が存在する。そして、労働から解放された自由時間には、労働者が家庭生活や社会生活に関わる生活時間を含むものだが、労働基準法上の規制はこうした時間の存在をこれまで意識してこなかった経緯がある。
 しかし、在宅ワーカーに代表されるような、必ずしも企業組織に包摂されない新しい働き方が増えていく今日、企業組織に包摂される者を対象とし、負荷時間や賃金時間に着目した労働時間規制では対応しきれないという問題が生じている。そのため、工場法に由来する工場労働モデルを基盤とした労働時間規制に変わる新たなアプローチを示すことが今後の大きな課題となる。
 こうした新しい働き方の登場に伴う問題解決策の1つとして近年、登場して来たのが「生活時間アプローチ」である。このアプローチによると、新しい労働時間法は、労働時間以外の時間を単に自由時間とするのではなく、家庭生活や社会生活を含む生活時間と捉え、その確保(1日の最長時間規制、時間主権、時間外労働の時間清算原則)を基軸とする。
 また、ここでは負荷時間、賃金時間、生活時間といった労働時間がもつ、多面的性格を視野に入れた総合的な法的規制を行うことが提言されている。すなわち、労働基準法における罰則による公法的規制だけではなく、労働時間規制が適用除外とされている管理監督者を含めた労働時間管理義務や生活時間確保義務、労働者が家庭生活や地域生活に関与する場合の生活時間配慮義務を使用者に課すなど私法的規制を含めた単独立法を志向している。
 管理監督者についても私法上の労働時間管理義務を使用者に課す「総合的労働時間法」は、現行の労働時間規制の免脱を意図する高度プロフェッショナル制度への対抗軸になることが期待される。以上のことをふまえ、本研究においては、総合的労働時間法案の立法提言および社会的モニタリ
ングに関する地方連合会及び地域協議会が果たす役割等について調査研究を行う。

研究期間

2018年10月~2020年9月

委員構成

主査 毛塚 勝利(労働法学研究者)
委員 橋本 陽子(学習院大学教授)
    細川 良(青山学院大学教授)
    石﨑 由希子(横浜国立大学准教授)
    石田 賢示(東京大学准教授)
    圷 由美子(東京駿河台法律事務所弁護士)
    柳 宏志(連合労働法制対策局次長)
    三原 健一(連合労働条件・中小労働対策局部長)
事務局
   藤本 一郎(所長)
   新谷 信幸(事務局長)
   杉山 豊治(副所長)
   金沢 紀和子(主任研究員・副担当)
   松井 良和(研究員・主担当)

その他今年度の研究報告

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