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理事長コラム
『時代を見つめる』
古賀 伸明

「政治分野における男女共同参画」

File.412019年5月28日発行

6月に発刊されるDIO6月号の巻頭言に、「私たち住民の役割と責任」と題して、去る4月の統一地方選挙について触れた。紙面の関係もあり、この統一地方選挙における大きな特徴の一つを、触れることができなかった。それは、候補者数をできる限り男女均等にすることを政党の努力義務とした「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が昨年5月成立した後の初の全国的選挙であったことである。結果は、道府県議選、市議選でも女性議員最多の当選者となった。しかし、女性議員の割合は道府県議会で約10%、市議会でも18%強である。

女性が初めて参政権を行使したのは、終戦翌年の1946年4月。この時、戦後初めての衆議院議員選挙が行われ、約1380万人の女性が初めて投票し、39名の女性国会議員が誕生した。ご存知の通り、1945年8月の終戦以降、日本は約7年間占領下におかれた。その連合国軍最高司令長官マッカーサー氏の5大民主化政策のひとつが、女性の参政権であった。

女性候補者数を増やすための取り組みを進めるべきとの声は大きくなってはいるが、実態は先進国中最下位である。世界の国会議員が参加する列国議会同盟(本部ジュネーブ)は去る3月8日の国際女性デーを前に、2018年の各国議会の女性進出に関する報告書を発表した。女性議員の人数と割合は、日本は前年より7位下げ、193か国中165位。G20諸国の中でも最低となっている。レポートによると、世界の女性国会議員の比率は1995年11.3%から、2019年1月には24.3%まで上昇したが、日本は1995年レベルにも達していないことになる。日本の実態は、2019年5月現在で衆議院議員の女性議員比率は10%、参議院議員は23%である。前述した1946年の衆議院議員に占める女性比率は8.4%であり、70数年経った現在でも状況が大きく改善しているとは言い難い。

フランスでは、2000年に「候補者男女同数法」(パリテ法)を成立させ、男女同数の候補者を擁立することを政党に義務付けた。2015年からは、県議会議員選挙で男女がペアで立候補する仕組みが導入されている。また、政治分野での男女平等を進めるために、候補者や議席数の一定割合を、あらかじめ男女に割り当てる「クオータ」の仕組みを導入している国や地域もある。女性のさらなる参画に向けては、日本のように理念法では不十分であり、クオータ制なども含めたさらなる議論が急務であろう。  社会・経済の成熟化、超少子高齢人口減少社会が進行する日本社会のこれからのあり方の議論のためには、多様な意思が政治や社会の政策に反映されることが極めて重要となる。女性に限らず多様な人材が議会で活動できるような環境整備とともに、政党による積極的な女性候補の発掘が求められている。

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