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理事長コラム
『時代を見つめる』
古賀 伸明

「なつぞら」

File.452019年9月24日発行

ここ数年、NHKの朝の連続テレビ小説を見る。正確に言えば、連合会長を退任し少し時間に余裕ができてからと、言ったほうがいいのかもしれない。もちろん、リアルタイムではなく、録画したものを自宅にいる時に、何日分もまとめて見ることが多い。

以前から、何故「連続テレビ小説」なのか疑問に思っていた。もともとは、毎朝ラジオで小説が朗読された「連続ラジオ小説」、小説からラジオドラマに、そしてテレビドラマにと変遷したが、その経緯から名称は「連続テレビ小説」となっているとのことだ。

「連続テレビ小説」は1961年から放送され、第100作の記念作品が今年4月からスタートし、今週9月28日で終了する「なつぞら」である。

1937年に東京に生まれ、戦争で両親を失い、北海道・十勝の父親の親友・柴田剛男に引き取られた戦災孤児の少女・奥原なつ。彼女が広大な大自然と開拓者精神あふれる強く優しい大人たちに囲まれて成長し、高校卒業後に上京、当時「漫画映画」といわれた草創期の日本のアニメーションの世界でアニメーターを目指す姿を描いている。

主演は広瀬すずさんであるが、酪農家の髭面で帽子姿の剛男の義父・泰樹を演じる草刈正雄さんの演技が感動と話題を集めている。草刈さんといえば、2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で、真田信繁の父・昌幸の演技で注目され人気が再燃した。「おのおの方抜かりなく」という台詞が話題になったことを記憶している方もいるだろう。余談だが、草刈さんは私と同じ年生まれで、同じ北九州市の出身であり、私たちが若い時に流行った資生堂の整髪料「MG5」のCMでデビューした。

90歳になった泰樹の姿が描かれた21日の放送後、SNS上には「じいちゃん...心配...」「しぼんじゃったような感じ」「じいちゃん生きててよ」などの声が寄せられたそうだ。 泰樹から発せられるいくつかの言葉が、心に響く。

例えば、柴田家に引き取られたばかりのなつ(栗野咲莉)とアイスクリームを食べながら、「・・・ちゃんと働けば、必ずいつか報われる日がくる。報われなければ、働き方が悪いか、働かせる者が悪いんだ。・・・一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きることじゃ。人は人を当てにする者を助けたりはせん。逆に、自分の力を信じて働いていれば、きっと誰かが助けてくれるものだ」

また、高校を卒業し、なつが上京する時、「人間は一人で生きると思えば寂しくなるのは当たり前だ。それでも一人で生きなきゃならん時がくる。誰と居たってもな。家族と居たって一人で生きなきゃならんもんだ。だから支え合う。離れていたって支え合える。ワシとおまえは支え合っとるべ」

これらの言葉は、人が働き・暮らし・生きるための本質ともいえるような気がしてならない。

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