「立夏」「小満」を迎えて
File.32026年6月25日発行
二十四節季の立春から数えて7番目が「立夏」、8番目が「小満(しょうまん)」で、今年は5月5日と5月21日だった。立夏はまさに暦の上での夏の始まり、小満は春に植えた作物が順調に育つ様子を見て、農家の人々が「少しホッとして心が満たされる」ことが由来とされる。草木や生き物がすくすくと成長し、生命のエネルギーが天地に満ち始める季節で、初夏の心地よい風が吹き、日差しも徐々に強くなって新緑が最も美しい季節と言われる。新緑の間を吹き抜ける「薫風(くんぷう)」、秋に植えた麦畑が黄金色に染まり、収穫を迎える「麦秋(ばくしゅう)」などの言葉もある。5月下旬になると青梅が出回り始め、梅酒や梅干し作りが行われる。汗ばむ陽気の日も多くなり、夏の装いへ「衣替え」をする時期となる。
現在の衣替えは25℃以上で半袖シャツも可など「最高気温」を目安にすることが多くなっているが、私の中学生時代は冬服・春物から夏服への衣替えは6月1日、夏服から秋物・冬服への衣替えは10月1日と厳格に決められていた。どんなに暑くても、6月にならなければ詰襟の学生服を脱ぐことは認められなかった。地球温暖化対策の一環で2005年度から政府が提唱してきた、過度な冷房に頼らず様々な工夫をして夏を快適に過ごすライフスタイルとして始まったクールビズは20年を経過した。かつては一律で5月1日~9月30日と定めていたが、現在では、各企業や自治体などが日々の気温や働き方、熱中症対策に合わせて自主的に設定・判断するスタイルとなっている。服装もノーネクタイやノージャケットにとどまらず、業務内容や職種によってはポロシャツやハーフパンツが認められるケースもある。連合総研では特段クールビズを設定していないが、私は連合の定める4月29日(毎年の中央メーデーの開催日)~10月31日までを踏襲してその期間をノーネクタイで過ごしている。
今年も初夏を迎え、昨年の記録的な猛暑が思い出される。2025年の夏(6~8月)の日本の平均気温は、平年を2.36℃上回り、1898(明治31)年の統計開始以来3年連続で過去最高を更新し、気象庁により「異常気象」と認定された。群馬県伊勢崎市では国内観測史上最高となる41.8℃を観測し、全国の熱中症搬送者数が初めて10万人を突破した。気象庁は2026年4月17日、最高気温が40℃以上の日を「酷暑日」とする気象用語を決定した。近年の日本各地での40℃を超える記録的な高温が毎年観測されるようになったことを受けたものである。従来の「猛暑日(35℃以上)」だけでは危険な暑さを十分に伝えられないため、新たに設定された。これによって気温の呼び方は、「夏日」最高気温25℃以上、「真夏日」最高気温30℃以上、「猛暑日」最高気温35℃以上、「酷暑日」最高気温40℃以上となった。
連合は、一人ひとりがライフスタイルを「身近なところから、できるところから」見直す運動「連合エコライフ」を、1998年から展開している。その一環として、電力消費量のピークである夏季・冬季の消費電力節減等の取り組み「ピークカットアクション」を2011年度から毎年行っている。省エネモードなど節電機能の活用、プリンター等の共有機器の台数制限、カーテン・ブラインドやサーキュレーターの活用、昼休みや未使用時の事務所・トイレ等の消灯、LED電球への買い換えや電球数の間引き、エレベーター等の使用制限などである。また、「環境にやさしい生活」として、環境に配慮した製品の選択、国産および身近な地域でつくられた食品や製品の購入、エコ通勤やエコドライブの奨励、ゴミの減量と再利用可能な資源の分別・有効利用、マイエコバッグ等の利用、食品廃棄・ロスの減量などを推奨している。
今年も気候変動によると思われる気象状況の変異が報道されている。猛威をふるった「台風6号」。6月に上陸するのは14年ぶりとのこと。6月時点で8個の台風が発生し、平年(4個)の約2倍のハイペースで多発している。線状降水帯の発生で激しい雨が全国各地に冠水被害などをもたらしている。地球規模の異常気象による被害が激甚化・頻発化している今日、起因する自然災害に迅速・的確に対応するとともに、温暖化対策にしっかりと取り組むことが重要であると改めて指摘しておきたい。
6月9日の連合の政策学習会で、一般財団法人:省エネルギーセンターの省エネ技術本部・技術支援センター長で工学博士の藤林晃夫さんの講演「エネルギーの情勢と省エネの進め方」を拝聴した。「省エネ」とは、エネルギーを無駄なく効率よく使い、使用量を極力少なくすることで、省エネ法上は「エネルギー使用の合理化を図る」ことだという。今後は、「省エネ」から「エネルギーマネージメント」への変換が必要で、その4つのポイントは、①経済的メリット(コスト削減)で光熱費を抑制すること、➁環境への貢献(脱炭素化)で再エネを活用すること、➂企業の社会的責任(CSR・ESG)で脱炭素経営を推進・PRすること、④エネルギー安全保障で安定供給の確保とリスク管理を行うことだとまとめられた。「エネルギーの見える化」が求められている。