暑中お見舞い申し上げます
File.42026年8月 6日発行
連日の猛暑、酷暑が全国で続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
まだまだ暑い日が続きますので、くれぐれもお体を大切にお過ごしください。
令和8年熊本地震により犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
二十四節季の立春から数えて9番目が「芒種(ぼうしゅ)」、10番目が「夏至(げし)」で、今年は6月6日と6月21日だった。芒種の「芒(のぎ)」とは、稲や麦などの穂先にある針のような毛のことで、この時期に芒のある穀物の種を蒔いたり、麦を収穫したりすることから名付けられ、農作業が忙しい時期であるため、農家では「忙種」とも呼ばれる。南北に長い日本では、梅雨のシーズンでもあり、本格的な夏の暑さの訪れる時期でもある。夏至は「日長きこと至(きわま)る」という意味で、一年で最も昼の時間が長く、夜が短くなる日だ。関西では、作物の根がタコの足のように大地にしっかり張るように、豊作祈願を込めて「タコ(蛸)」を食べる風習がある。関東では、小麦の収穫を祝い「小麦餅」を食べて健康を祈る。また、全国的に「そうめん」を食す季節ともなる。
日本労働組合総連合会(連合)は、2004年より毎年6月を「男女平等月間」と定め、ジェンダー平等・多様性の推進に向けた取り組みを実施している。これは、昨年40年を迎えた1985年の男女雇用機会均等法と1999年の男女共同参画社会基本法が公布されたのが6月で、厚労省の「男女雇用機会均等月間」、内閣府の「男女共同参画週間(毎年6月23日~29日)」の設定に由来している。
政府は3月に「第6次男女共同参画基本計画」を閣議決定した。第5次計画で掲げた「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度」の目標は、達成には至らず、第6次計画でのより高い目標値の設定とは
ならなかった。女性差別撤廃条約の選択的議定書の早期締結、年金制度の第3号被保険者などの記載も前進が見られず課題が残る。さらに、当事者や女性が切実に求めている選択的夫婦別氏制度の導入について、適正な審議を経ず、突然「旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討」が盛り込まれたことは極めて遺憾と言わざるを得ない。
政府は6月25日、「女性版骨太の方針2026」を決定した。①女性の生涯にわたる健康支援、➁17の戦略分野における女性活躍、➂女性が活躍でき暮らしやすい地域づくりの3つを重点分野として掲げた。AIや半導体などの成長戦略 分野(17分野)では、ジェンダー平等・多様性の尊重こそがイノベーションの原動力であり、産業分野・業種・職種の壁を超えた女性活躍の推進の必要性が述べられ、女性の理系人材の育成やロボット開発、女性用トイレの整備等の促進が指摘されている。
トイレと言えば、国会議事堂の女性用トイレの個室が二つ増設される。本会議場に隣接する女性用トイレが現在の1か所(便器2個)から2か所(便器4個)になる。高市首相を含む58人の女性議員が昨年12月に提出した要望書を受けた措置だ。国会議事堂が完成した1936年当時は女性に参政権がなく、女性用トイレの設置もなかった。敗戦後、女性参政権が実現し、1946年に女性の国会議員が初めて誕生したが、女性用トイレが設置されたのは9年後の1955年度で、それまでは男性用のトイレを女性も使用する男女共用だった。現在、衆議院本館全体では、男性用トイレが12か所(大便器・小便器合わせて67個)で、女性用トイレは9か所(個室22個)しかない。
政府は議席の少なくとも30%を女性にすることを目指すとしているが、2月に行われた衆議院議員選挙では、465議席のうち女性の当選者は68人(14.6%)にとどまった。世界経済フォーラムが2025年に発表した「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は148か国中118位だった。国会議員や閣僚に占める女性の割合が他の国と比べて非常に低いなどの政治分野の遅れと、企業の管理職や役員などの指導的地位にいる女性の割合が低い、男女の賃金格差が残っているなどの経済分野の課題が低位の理由となっているが、トイレの増設という一歩の前進がジェンダー平等を推進する一助となれば幸いである。
国連女性差別撤廃委員会は2024年、女性皇族による皇位継承を認めていない日本の皇室典範について「男女平等の保証」を求めて改正を勧告していた。日本政府は「皇室典範の在り方は国の基本に関わる事項だ」と強く抗議していたが、国連は7月18日、国会で皇室典範が改正されたのを受けて、「全ての国に対し、あらゆる地位や職業において女性の権利向上につながる包摂的な政策を奨励する」とのアントニオ・グレテス事務総長の見解を示した。
京都府八幡市の川田翔子市長が7月20日から4ヶ月の産休に入ったが、日本で全国ニュースになったことやSNSで批判の声が上がったことについて、海外メディアは驚きをもって伝えている。「現職市長として産休を取るのは日本 で初めてで、『先駆者』として称賛される一方で、『無責任だ』『私生活を有権者より優先している』と批判を浴びた」(ニューヨーク・タイムズ)。「男性中心の働き方と政治システムの中に根強く残る明白な格差を浮き彫りにした」(米国CNN)。「昨年時点で日本の自治体トップのうち女性の割合はわずか4%」(英国BBC)。川田市長が、海外メディアに欧米の状況を尋ねたところ、政治や経済分野で組織のトップを務める女性の産休取得は「当たり前で、そもそもニュースにならない」と説明されたという。アメリカの産休期間は日本と比べると短い。キャリアの継続を考えて、比較的早く復帰する人が多いというが、そうしたことが可能となっているのは、そもそも男女がともに家事や育児を担う意識が定着していることと、家事や育児をサポートする多様なサービスがあることも重要な視点である。
委員会質疑にしろ、答弁にしろ、成立した法律にしろ、閉会後の記者会見で与党の国会運営に関する反省点を問われ「特にない」と述べた高市首相の姿勢など、残念に思う点を多い国会だったが、国会議事堂の女性用トイレの増設や皇室典範の改正、女性市長による産休取得の報道を、若者世代の皆さんはどのように受け止めているのだろうか。酷暑・猛暑の中、考えてみたいと思う。