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JTUC Research Institute For Advancement Of Living Standards

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前理事長コラム
『時代を見つめる』
古賀 伸明

「今一度自覚すべきこと」

File.52016年5月14日発行

熊本地震から1ヶ月が経過した。

交通網も含めて復旧が進み始めたが、今なお余震が続いている。震度1以上の余震は1400回を超えるという従来経験のない状態となっている。また、4月14日の前震で終わっていれば被害は限定的だったにもかかわらず、16日の本震で被害は大きく拡大した。特に活断層に近い益城・西原・南阿蘇地域が甚大な被害を受けている。また、震源の深さは11キロと非常に浅いところだったことから、局地的に強い揺れが発生したものとみられている。

あらためて、お亡くなりになられた方々に、心からの哀悼の意を表したい。また、この地震によるすべての被災者に心からのお見舞いを申し上げる。そして、避難生活を余儀なくされている被災者への支援を急がなければならない。一刻も早い救援活動が行われることを期待するとともに、私たち一人ひとりも可能な限りの具体的支援を行っていく必要がある。

またしても、私たちは、自然の圧倒的な力の前には全く無力であることを思い知らされた。近年では、阪神淡路大地震、新潟中越地震、東日本大震災。そして、日本に住んでいる限り自然の災害は避けて通ることは出来ないことを、今一度自覚すべきである。

私たち一人ひとりが、定期的に備えを点検する必要がある。そして、自治体をはじめとするすべての組織が、災害発生後のスムーズな対応の訓練も怠ってはならない。

熊本の友人から、"被災した家はほとんどが昭和時代に建てた家屋であり、昔ながらの丸い屋根瓦は崩壊し、石で造られたブロック塀のほとんどが倒れて道路に散乱しています。天下の名城・熊本城の天守閣の瓦が崩れ落ち、武者返しで知られている石垣も見るも無残な光景です。わが家の状態は幸いにも震度7クラスの地震が2回襲ってきて大揺れに揺れましたが、何とか持ちこたえてくれました。災害に遭遇したら自分の身を守るための術を常に身につけておかなければならないと改めて思います。それと自分に宿っている運です。動くべきか、動かざるべきかはその時の自分の判断です。他人は助けてくれません。"との便りが届いた。

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