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新たな時代を担う地方の代表者を決める時

小川 士郎2019年3月28日発行

 平成最後の統一地方選挙が3月21日に始まった。今年は、退位特例法によって今上天皇が430日に退位することから、通例に比べて一週間早い日程となっており、具体的は下記の日程だ。

前半戦

  3月21日:道府県知事選挙 告示日

  324日:政令指定都市 及び 市長選挙 告示日

  329日:道府県議選挙 及び 政令指定市議選 告示日

  4 7日:投票日

後半戦

  414日:一般市長選 及び 市議選、東京都の特別区長 及び 区議選 告示日

  416日:町村長選 及び 町村議選 告示日

  421日:投票日

 選挙前の報道を見ると、議員の世界でも人手不足(成り手不足)が深刻化している。

 最近では、高知県大川村が「村総会」を検討した事で脚光を浴びた。様々な議論が報道されていたが、その後大川村では「議員との兼業が認められる企業や団体の範囲を明確にする条例」が可決された。その影響もあり今回の第19回統一地方選挙では村議会の議員定数6名に対して、7名が立候補を予定しており8年ぶりに選挙が行なわれる見込みだ(「読売新聞」2019.03.20)。

 また、過疎化が進む地域だけではなく、都市部でも議員の成り手不足が深刻化しつつある。筆者の住む神奈川県においても、県議選の無投票選挙区は2000年代に入り増加傾向にあり、今年2月の時点では「県議選の県内全48選挙区のうち最大で24選挙区で無投票か」と報道された。(「神奈川新聞」2019.02.16

 議員の成り手不足については、報酬・年金の問題が大きく取り上げられるが、神奈川県議のように都議・府議・県議の中でも比較的報酬の高い議員(神奈川県議の場合 報酬月額97万円)でも、議員の成り手は限られてきている。報酬・年金の他にも、前述の大川村のような「兼業の緩和」、議会の開催日時(夜間開催等)、等が議論されているがどれも決め手に欠けているように思われる。

 地方における人手不足は更に深刻になって来ていると思われるが、自分達(議員)の成り手不足に有効な手が打てない状況では明るい未来とは言いがたい。

 人口減少が前提となっている現在では、かつてのような補助金&箱物に頼った運営は上手くいかなくなっている。建設後の維持費を、人口の減少の中で捻出して行く事には、限界も有る。人が減っていくからには議員定数の削減や、維持困難な過疎地域(市町村・地区)の集約と言った、厳しく実施に痛みを伴う施策についても真剣に議論をしていく必要が有るのでは無いだろうか。

 今年は亥年。春の統一地方選挙に続いて、7月には参議院議員通常選挙が実施される。この4月の地方選は参議院選挙の前哨戦と言う側面もあるかもしれない。しかしながら、地方選挙の第一義としては、自分たちが生活する地域の代表者を有権者の総意で決める事にある。今回の統一地方選挙から候補者は、①都道府県議選:16,000枚、②政令指定都市の市議選:8,000枚、③一般市の市議選&特別区議選:4,000枚のビラ配布が可能となった(知事・市区町村長選は2007年から配布可能)。条例により公費負担とすることも出来る。無駄にせず、各候補の主張を知り選挙後にチェックするための良いツールとしたい。

 選挙後には元号も変わる。新たな時代を担う自分達の代表者を決める重要な選挙である、皆で投票所に足を運び、大切な一票を投じたい。

※2019.03.30 追記

 神奈川県の県議選は、3月29日の立候補者受付の結果。過去最高の13選挙区で無投票となった。また、戦後初めて横浜市議選で1選挙区が無投票となった。

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