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オンライン会議での悩みあれこれ

浦野 高宏2021年1月15日発行

 新型コロナの感染拡大が続いている。東京では2度目となる緊急事態宣言が出されて1週間ほどたつが、その効果も今のところ見えていない状態だ。

 そんな状況なので、テレワークの取り組みをさらに拡大するための努力している職場も多いようだ。政府も推奨しているが、外出を減らすことで感染のリスクを極力減らさなければならないので、可能な業務については通勤を控えてなるべく在宅勤務を行おうという流れになっているのは、ご承知の通りである。

 ここ連合総研でも昨年から、会議やセミナーなどをzoomを利用してオンラインで行うようになってきた。はじめの頃は、会議室に集まっての会議もしつつ、そこに参加できない人がオンラインで参加するという形が多かったが、最近では全員がオンラインで参加して行い、実際に集まることはしないという形が多くなってきた。自宅のパソコンで、会議に参加したり会議の運営をしたりすることも、増えてきたのである。

 ところでこうした状況になって私がまず困ったのは、通信の環境である。

 私の場合、自宅のインターネットはポケットWi-fiで繋げていたのだが、このポケットWi-fiという奴が非常に不安定である。まず、えらく遅い。地域にもよるのだろうが、私のところの場合、数メガバイトのファイルアップロードの場合、スタートボタンを押したのち、便所に行って帰ってきてもまだ送信中という場合が多い。下手をすると途中で止まる。ファイルのアップロードなどはやり直せばいいのでまだいいが、さらに困るのは会議である。突然なぜか画面の中の参加者の皆さんが無言になり、いったいどうしたのか、だれか話せよなどと思ってといると、じつはこれが無言になったわけではなく、通信速度が限界以下になって私の画面が固まってしまったもので、しかも極めてまずいことにその会議は私がホストを務めていたため、傍から見ると会議は進んでいるのにホスト役だけが固まっているという最悪の事態で、いやもう、あれは困った。

 通信環境ばかりではない。会議の場合、傍聴ならばともかく、通常、カメラで自分を映しながら参加する。コミュニケーションにとって、表情や身振りなども情報の伝達や会議の雰囲気醸成に大切なので、これはまあ必要なことかと思う。ところが私のパソコン部屋の場合、頭の後ろ斜め上に一つだけ照明があるという環境(ちなみに窓はない)のため逆光もいいところで、会議が始まり画面に映ってみるとシルエットでの参加にしか見えず、まるで悪の秘密結社の大幹部がモニター画面で部下に指令を伝えるときの映像のようで我ながら実に不気味であった。なにしろその日の会議は外部の先生方も多数参加されているため、これはカメラの画面をなくした方がいいかもしれないなどと悩みつつも、結局その日は最後までシルエットで参加することになった。

 案の定、後日出勤したところ、上司やら同僚から、「あの不気味な画像はどういうつもりだ」「いっそのこと会議中に『なんとかしろ』とメッセージを入れようかと思った」などと、もう散々な苦情の嵐で、いやそれについては自分も気にはしていたのだが、などと言い訳してみたもののまずかったことに違いはなく、大いに反省することになった(それにしてもあの場で「なんとかしろ」と言われてもできることは懐中電灯で顔を照らすことぐらいであり、もしそれをやった場合シルエットよりましだったかどうかというと、これもはなはだ疑問であり、やはり仕方がなかったとしか言いようが・・)

 といったようなことがあり、オンライン会議を行うためには、どうしてもそのための環境を整えなければならなくなった。

 まず光ケーブルの導入。これも大変だった。8月に頼んで、開通したのは12月半ばである。丸々3か月かかった。工事の人に聞いてみると、私と同じような事情の人が極めて多く、工事が立て込んでいるとのことだった。なるほど、皆さんオンライン会議では苦労されてるようで。

 次に照明器具の追加である。パソコンに接続して、正面上方から自分を照らすことのできるLED照明を、通販で購入した。試してみると、まあ、自分の画像のシルエット状態は解消され顔ははっきりと映るようになったが、画像自体の不気味さについては増えたのか減ったのか迷うところである。

 というわけで、オンライン会議をおこなう上で技術的・設備的に障害になっていたあたりは、とりあえず解消された。あとは、しっかりした準備による速やかな運営と、会議の場での適切で気の利いた発言により会議内容の豊富化を図るばかりである。・・・しかし、考えてみればこれが一番難しく、会議がうまくいかないのを通信環境のせいにできていた方がよかったような気もするが、そんなことを考えていることについては間違っても上司に知られるわけにはいかないので、絶対にこんなところに書くわけにはいかないのである。

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