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前理事長コラム
『時代を見つめる』
古賀 伸明

「良いお年をお迎えください」

File.122016年12月28日発行

この1年間の皆さんの課題解決に向けた取り組みに、心より敬意を表します。

恒例となっている日本漢字能力検定協会が発表する「今年の漢字」は「金」であった。オリンピックの金メダルや政治家の金の問題などから選ばれたとのこと。私は今年の漢字は驚愕の「驚」のほうが相応しいのではないかと思う。なにせ、驚く現象が本当に多い1年ではなかったか・・・。ある人は「バケツをひっくり返したような2016年」などと表現した。

さて、先日の続きとなるが、去る10月に亡くなられた平尾誠二さんの奥様から、喪中の葉書をいただいた。その葉書には現役時代・ユニフォーム姿で、グランドでおそらく手を後ろにしてサインを出していると思える平尾さんの姿。そして、文面は「好きだった"自由自在"という言葉通りに天国という名のフィールドで駆けまわっていることでしょう。ラガーマンとしても、人としても、本当に幸せな人生を送れましたこと、皆さまに感謝申し上げます」。それにしても53歳という短い生涯。改めて、ご冥福をお祈りする。

いまひとつも恐縮だが、58歳で亡くなられた方の奥様と9年ぶりにお会いした。皆さんご記憶にあると思うが、元参議院議員・山本孝史さんの奥様だ。9年ぶりとは、告別式に参列して以来のこととなる。山本元参議院議員の選挙区が大阪ということもあり、彼とは割と近しい関係であった。山本議員は、2006年5月の参議院本会議場で自らのがんを告白し、「がん対策基本法」と「自殺対策基本法」の成立のまさに大きなキッカケをつくった演説を行った。

彼はご本人が5歳の時に、お兄さんが8歳で交通事故死したのを機に大学在学中から交通遺児救済のボランティア活動に参加し、卒業後に財団法人・交通遺児育英会に就職、1990年より同会事務局長を務めた後、1993年政治家の道に進んだ。

亡くなられた後、奥様が「兄のランドセル~いのちの政治家・山本孝史物語」を出版し、それを原作として朗読劇「兄のランドセル」を5回公演(大阪2回、秋田2回、釜石1回)した。この度「がん対策基本法」と「自殺対策基本法」施行10年、また山本さん没後10年の節目に「いのちのフォーラム」と題して、6回目を来年の6月11日(日)17時からNHKホールで開催する運びとなった。是非、時間の都合のつく方は足を運んでいただきたい。

早いもので、2016年も残り僅か。良いお年をお迎えください。

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