連合総研

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前理事長コラム
『時代を見つめる』
古賀 伸明

「連合総研設立30周年の年」

File.132017年1月 6日発行

改めまして、明けましておめでとうございます。

今年は全国的に穏やかな元旦で、皆さん、それぞれに新しい年2017年をお迎えになったことと思います。今年は連合総研設立30周年を迎えます。

私は昨年風邪をこじらせ帰省できなかったため、今回は年末から福岡に帰省して新年を迎えた。ここ数年、元旦からニューイヤー駅伝、2日~3日の箱根駅伝に釘付けになっていることは、昨年の仕事始めでも申し上げた。2日の夕刻に帰京したので、3日の復路は自宅の近くで直接最終区のランナーを応援した。社会人は18年振り22度目の旭化成が優勝、箱根駅伝は青山学院大学が6校目となる三連覇を成し遂げた。しかも4校目の学生3大駅伝・三冠(10月の出雲駅伝、11月の全日本学生駅伝、そして年をまたいで1月の箱根駅伝)だ。

駅伝は襷をつなぐ日本独特のスポーツである。諸外国にも少しずつ広がっているようだから、発祥が日本といったほうがいいのかもしれない。それぞれがそれぞれの場で自分の役割と責任を果たすとともに、お互いに仲間の足らざるを補いながらチーム力を発揮するスポーツであり、これは私たちが社会や組織で生きることにもつながるものである。

さて、話は変わるが、新年のマスコミでは不確実性や不透明という言葉が踊った。新年によく引用される高浜虚子の句「去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの」を思い浮かべる。虚子76歳、1950年(昭和25年)12月の句だ。ある識者は"貫く棒"を、年が変わろうが変わるまいが時は流れていると解釈した。虚子の年の暮れの句に「年は唯黙々として行くのみぞ」があり、その2つの句をながめていると、"貫く棒"は大きな時の流れと解釈することも理解できる。一方では、時の流れの中にあっても、貫いているものはまったく変わらない、それは棒のようにまっすぐで年が変わったからといって変わらないもの、すなわち思いとか信念というものだという解釈も出来るだろう。

大きな環境変化と時代の転換期の今、私たち自身がこの"貫く棒"の真の意味をじっくりと考える必要があるのではないだろうか。また、無から有を創り出さなければならない時代には、TRY&ERRORを繰り返し失敗から学ぶことの重要性を再認識して、学びを蓄積することによって新たな価値を創造していくことが重要である。

連合総研設立30年目を迎える2017年を新たなことにTRYする年とし、皆さんにとって実り多き年であることを祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。

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