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前理事長コラム
『時代を見つめる』
古賀 伸明

「J-Winダイバーシティ・アワード」

File.142017年2月14日発行

「J-Win」(特定非営利活動法人ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)というNPO法人をご存知だろうか?

企業におけるダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援することを目的に、2007年4月に設立された。女性活躍に関するアドバイス、コンサルタントをはじめ、セミナーや講演、さまざまな調査など、その推進をサポートする各種活動を展開している。また、業種や業態の枠を超えた女性企業人の相互研鑽の機会を提供し、ネットワークの構築を支援することにより、女性リーダーの育成・能力開発を図っている組織だ。

このNPOの代表者である内永ゆか子さんとじっくり話しをしたのは、2014年5月初旬にフランス・パリで開催されたOECD(経済協力開発機構)フォーラムの時である。お互いの出番の隙間を利用しながら、かなりの時間さまざまなことについて意見交換させていただいた。折りしも、同時期に開催されるOECD閣僚理事会の議長国は、加盟50周年の節目の年であった日本。

内永氏はダイバーシティ推進のためには各種団体が連携して活動する民間主催のプラットホームが必要と考え、その年の4月に一般社団法人ジャパンダイバーシティネットワーク(JND)を立ち上げたばかり。その活動を軌道に乗せるために、各界へのアプローチを開始したところだった。私自身も日本のこの種の活動は、あまりにもプラットホーム的なものがなく、それぞれがバラバラで取り組んでいることに懸念を持っていたため、呼びかけ人のひとりとなった。

それ以降、同年9月のJDNキックオフシンポジウムでのパネラー、J-Winの女性リーダー育成活動の一環である講演会で講師などを務めた。それらのことがきっかけとなり、企業のダイバーシティ&インクルージョン推進(D&I)支援活動としての「J-Winダイバーシティ・アワード(D&I推進における先進企業表彰)」審査委員への就任の要請があり、3月の発表表彰式に向けてその役割の一端を担っている。時間を割いているのが第二次審査・ヒアリングである。第一次審査を通過した10社それぞれに出向き、経営トップ・推進責任者・管理職・女子社員と各々約40分のヒアリングを行い、2月末には丸一日かけて、最後のプレゼンテーションを受け最終審査を行う。

私自身は5社のヒアリング審査に携わったが、どの企業も私が想像する以上に取り組みや意識・風土改革が進んでいた。ただ、ヒアリングに参加した管理職や女子社員は、もちろん審査ということでピカピカの優秀者が出席しているのは間違いない。企業内全体の意識や風土も変革が進んでいることを願うとともに、多くの企業や各種組織・団体でのD&Iの推進を期待したい。

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